村上元三 『源義経』(1)

源義経〈1〉 (人物文庫)

源義経〈1〉 (人物文庫)

義経」の原作は宮尾登美子『宮尾本 平家物語』ですが、義経主従の設定はこの本からとられているそうです。また、40年前の大河ドラマ源義経』(紛らわしいな)の原作でもあります。

感想なんですが、源義経が非の打ち所のないスーパーヒーローと化していて、そういう話が苦手な私にとってはちょっとつらかった。それでも、義経が敵と戦うところは読み応えがあった。平教経とやりあう所なんかは、「もう壇ノ浦の複線を張っている!」と、かなり興奮しました。
あとは、やたらと伊勢三郎を邪険にする武蔵坊弁慶と、いつも「蟹のような顔をしている」と描かれている伊勢三郎が可笑しかった。この家来たちは生き生きとしていてけっこう好きです。大河でもこんな感じになるのかな。