『ハチロー 母の詩 父の詩』第4回 「桃の花が咲いた」

役者はいいし、所々面白いセリフもあるのに、前後の回のつながりがあまり感じられない脚本のせいか、話がぶつ切りになっていて物語へ引き込まれない。ハチロー(唐沢寿明)には知らない間に愛人が何人も出来ていてついていけないし、久(忍成修吾)も第1話でしか登場していないので感情移入が出来ず、今回紅緑(原田芳雄)に「こうなったのは全部お父さんのせいだ」と言うシーンでも説得力がなかった。悪いドラマではないのに、もったいないよ。
あと、登場人物の行動に今一つ厚みが出てないと思ったけど、それは全ての始まりでもある紅緑・シナ(原田美枝子)のなれそめの描写がぶった切られているせいじゃないだろうか。このドラマは原作にないオリジナル要素を結構出していてそれはそれで楽しいけど、同時に原作が持つ良さを出し切れていないんじゃないかなあ。第1回は本当は物語の構成の上ですごく重要になるはずだったのに、エピソードがぎゅうぎゅうづめで終わってしまったのはうーん、と思う。