第48回 「北の王者の死」

奥州編その2。

平泉到着

奥州編好きだー!

何で好きかっていうと、奥州藤原氏の人物設定に魅力を感じたから。包容力があり、風格のある藤原秀衡高橋英樹)。非常時に人の上に立つ器量のない藤原泰衡渡辺いっけい)。ボソボソしゃべるが頼りになる藤原国衡長嶋一茂)。義経を心から慕う藤原忠衡(ユキリョウイチ)。平家・鎌倉と比べて出てくる人数が少ないっていうのもあるかもしれないけど、人物の描き分けができてて、従来の人物解釈とはちょっと違ってて、かつ面白いです。
奥州編は明るかった、というのもあるかな。一回目に奥州に来た時は、畑を耕していたり、義経が秀衡に平泉を案内されるなど、つかの間の安らぎが漂ってたんだよね。今回もそんな感じだし。
あとは、義経はいろんな人を慕ってきたけど、藤原秀衡が一番父親っぽく見えたなあ。滝沢秀明高橋英樹の相性がいいのかな。高橋英樹平清盛役だったら、「義経が清盛を父と慕う」設定にすごい説得力があったのに、と思いました。

義経、秀衡に「新しき国」を説く

義経、その構想本当に好きなんだなー。でも、言うたびに「新しき国」の定義が変わってっているような…。せっかく秀衡に認められても国作りには着手しないとはいかに。

秀衡、かっこいい!

平泉から朝廷に献上する貢ぎ物を鎌倉を経由して届けよ、という源頼朝中井貴一)の要求に対し、その申し出を受け入れる秀衡。危機的な状況でも余裕で対応するのがすごい。『義経』にはこういう人物があまりいなかったせいか、やけにかっこよく見えたよ。タイトル通り「北の国の王者」ですね。そんな彼がすぐに死んでしまうのは、義経にとって不運だったとしか言いようがない。

泰衡、秀衡の後を継ぐ

前々から人は良いが気弱だった泰衡。泰衡はもともと義経のこと悪く思っていなかったのだから、泰衡の変心にもっと時間を割いて欲しかったけど、いっけい泰衡を見てると、弟を殺し義経を討つのがなんとなく理解できる。小心者だからこそああいう行動に出るというか。それに時機が時機だし判断力も低下してそう。彼にとって、偉大な父の後を継ぐのはあまりにも重すぎたんだなあ。決して悪い人ではないんだけどね。

義経、頼朝と戦う決意を固める

ナレーションで「新しき国を賭けた戦い」って言ってたけど、そんな高尚な戦いじゃないような…。


奥州藤原氏が主役ではないとはいえ、義経が再び奥州に来た時のことや秀衡の死後の経過など、奥州藤原氏の動揺の描き込みが足りないんだよね。鎌倉の雑色の報告やお徳の語りで流して欲しくなかった。それでも、テンポが良く、内容が濃くていい回だった。高橋英樹渡辺いっけいに助けられているなあ、と思いました。