第46回 「しずやしず」

初めて「黛Dが演出で良かった」と思えた、そんな回。

平泉行きの準備

この期に及んで「静も平泉に連れて行こう」と言ってますよ。だったら吉野山で別れたときに、落ち合う場所を決めればよかったのに。
このドラマによると、「新しき国で親兄弟仲良く」=義経と郎党と静が仲良く暮らすこと、らしい。ずいぶん規模が小さいなあ。だったら「国」じゃなくてもいいのでは。あと、源義経滝沢秀明)が初対面の磯禅師(床嶋佳子)にいきなり「新しき国」構想を説き始めたけど、磯禅師にしてみれば、いきなりそんなこと言われても困るだろうなあ。磯禅師が軽くあしらってくれてよかった。

忠信最期

朱雀の翁(梅津栄)が気になって気になってしょうがなかった。義経らの目の前にいきなり現れ、「輿の中は空だ」とぼそっと忠告して画面から姿を消したり、佐藤忠信海東健)が斬られた後にまた画面の前にいきなり現れたり。なんなんだろう、この雑魚っぽさは。お陰で、忠信の死よりもそちらの方に目がいってしまった。朱雀の翁、笑わせないで下さい。

静怖いよ政子怖いよ

鎌倉での静(石原さとみ)は、今までとは別人のよう。特に子供が殺されたことを知った時の「義経様のお子を…!」辺りは、ドスがきいてて引き込まれたし、「こういう静もありかな」と思わせました。最初からこの路線の石原静が見たかったよ…。それにしても、子供の死を知った時の静の嗚咽、あまりにも大きくてびっくりした。大波の音より激しいんだもん(笑)。
そして北条政子財前直見)。子供でも平然と殺してしまう冷徹さと、志ある人物を認める度量の広さが光ってました。正直言って受け入れがたい物もある政子像ですが、こういう政子をある程度説得力のある人物として演じられる財前直見はすごい、と思います。静の怒りを軽くいなしてしまうところなんか、ちょっと本気でムカついたし。

しずやしず

静が鶴岡八幡宮で舞をするのが今日のハイライト。黛Dが担当したイベント回の中で一番良かったです。今までの桜吹雪・金粉に比べて、紅葉の散らし方が過剰ではなくて、落ち着いて見ることが出来ました。OPテーマの使い方も、今まで一番効果的だったと思います。流れるタイミングが良かったし、無常さを感じました。義経の殺陣と舞が交互に出てくるのも、二人の想いがシンクロしているんだなーと感じられました。義経と静の絆が前々から打ち出されていれば、もっと良かったんだけどね。ちなみに、放送後に公式のセット紹介を見たけど、なかなか面白かった。
静が舞い終わった後に、政子が立ち上がって色々言ってたけど、あの演出はいいのかな。もう既に鎌倉は政子が仕切ってるし、言い方も悪女みたいだし…。というか、きっと私はこういうところが受け入れられないんだろうなあ。
遂に今回は政子よりも口数が少なくなってしまった源頼朝中井貴一)。彼は静の舞を見て何も語らなかったのですが、彼の考えは「視聴者に委ねます」ということなのでしょうか。彼の本音は今ひとつ分かりにくいので、どこかで話してもらえるといいのですが…。あと、大姫はもう退場かな。この日のために大姫を出していたのかと思ってただけに、勿体ないね。