第29回 「母の遺言」その1
源氏側と平家側の話が分離していて見づらかった。そういえば、このドラマの初期もそんな感じだったなあ。
面白かったところ
- 源義経(滝沢秀明)が、後白河法皇(平幹二朗)や源頼朝(中井貴一)に翻弄されている様子は良く出ていたかと思う。
- 検非違使任官の場面。物分りの良すぎる義経がどうやって任官を受けるんだろう、と思ってたんだけど、法皇や丹後局(夏木マリ)に頼朝のことを持ち出されて、なるほど、これじゃ義経は断れないなーと思った。義経、頼朝大好きだからなー。これで清盛のことを持ち出せば大河『義経』的には完璧。
- 常盤役の稲森いずみは存在自体が良かった。現代劇よりもきれいに見える。また時代劇に出てほしいな。
- 義経の公家装束、似合ってた。このドラマはタッキーのプロモーションビデオなのだろうか、と一瞬思ってしまうけど、出来がいいプロモならそれでいいや。
- 義経が恩賞を与えられないことについて、佐藤継信(宮内敦士)が説明しようとして最後に「分からない!」と言ったこと。分からないことを「分からない」と言ってくれるのは爽快だ。
- 義経と郎党が何で悲劇的な最期を遂げたのか、今回なんとなく分かった気がする。彼らは良くも悪くも政治的な駆け引きを全く知らないんだな、と思った。
微妙だったところ
- 萌(尾野真千子)の出番が一瞬だけだった。ガーン。
- 静(石原さとみ)よ、自分と義経の間に邪魔立てするものがいたら即座に身を引くってなんなのさ。もっと気丈になろうよ。そんなことじゃこれから先身が持たないよ、と言いたい。
- 領子(かとうかずこ)が「能子(後藤真希)の血筋は、清盛様と義経のどちらなのでしょう」と言ってたけど、兄が誰であろうと父の血筋優先では? 能子がフォローしていたからいいんだけど…。
- 常盤がいきなり病気になってお亡くなりになっても、あまり感慨が沸かない。そもそもなぜ退場させる必要があったんだろう。
- 経子(森口瑤子)は平維盛(賀集利樹)の死をいうためだけに屋島に来たのかな。これからどうするつもりなのだろう。
- 時子(松坂慶子)が明子(夏川結衣)に、あの遺言は嘘だと言ったことについて。あの場面はあってもなくてもいいような。そもそも遺言の件についてすっかり忘れてたし。
がっかりしたところ
- 「頼朝が義経になぜ恩賞を与えなかったのか」について、説明不足だったこと。この回から兄弟の確執が始まるみたいなのに、その確執の発端が分かりにくいのはどうなのかと。そもそも前回ではあんなにくどくどと頼朝の心情を説明していたのに。
- というか、あえてこのドラマではそういう説明をはしょったのかな。それで視聴者に「頼朝ひどい!」と思わせて、判官びいきに持っていくと。だとしたらそれはそれでいいのだけど、どうも意図が分からない。
- 維盛の入水。そもそも一の谷の時には「弟の汚名を挽回する」って言ってた割にはフェードアウトしてしまって、今回いきなり屋島にいた時点で微妙だな、と思ったんだけど…。あのロボットみたいな入水の仕方って一体。さすがは黛りんたろうDだ。