『源義経』総集編(前編)

TSUTAYAで借りてきました。

NHK大河ドラマ総集編 源義経 2枚組 [DVD]

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1966年に放送された大河ドラマ源義経』。残念ながら、映像として残っているのはこの総集編と本編第33回「壇ノ浦」だけだそうです。
ここから先はあらすじと感想をまとめます。なお、混乱を避けるため、役者の名前は当時のままで書いています。例えば、「尾上菊之助」はここでは現・尾上菊五郎のことです。




あらすじ

 冒頭に現代(当時)の鞍馬の火祭が映し出され、「幼年時代源義経に関する信頼できる史料は残っていない」とナレーションの語り。そこから一気に1180年の黄瀬川での義経尾上菊之助)・頼朝(芥川比呂志)の対面シーンに移る。
 4年後、義経は頼朝から木曾義仲追討の命を受ける。宇治川の合戦で木曾勢に勝利した義経軍は、続いて一の谷の合戦で平氏を破る。
 華々しい義経の活躍を都にて聞いた金売り吉次(加東大介)は、義経の昔日を回想し、「もはや九郎殿お一人の力ではどうにもならなくなった」「法皇や公家に利用されるのではないか」と不安がる。果たして、義経は朝廷から左衛門尉・検非違使に任命され、頼朝との仲に徐々にひびが入る。
 義経は頼朝の命により屋島平氏を襲い、さらに長門まで兵を進めた。1185年、遂に壇ノ浦で義経軍と平家方が激突する。平知盛市村竹之丞)・平教経(山口崇)の奮戦むなしく平家一門は次第に追い詰められ、次々に入水。ここに平家は滅亡した。
 義経の活躍に頼朝は不快な空恐ろしさを覚えた。義経は鎌倉の役に立たないと判断した頼朝は義経が鎌倉に入るのを許さなかった。義経は誤解を解くために、腰越の地で「腰越状」をしたためる――――。

感想

なにしろ40年前の作品なので、画面に出ているのは私の知らない役者さんばかり。「大河ドラマ 源義経 キャスト表」とにらめっこしながら見ていたけど、それでも主要人物しか顔と名前が一致しませんでした。

なんだろう、ドラマというより「ドキュメンタリー 源義経」みたいだった。その時代にカメラがずかずかと入り込んでその瞬間を捕らえる、という感じ。技術がまだまだ発達していなかったせいもあって、合戦は妙に臨場感あったけど。
あと、壇ノ浦の演出が面白かった。技術力のなさとお金のなさを逆手に取ったのか、実写と、船の動きの絵と、絵巻物と、渦潮の映像を上手い具合に組み合わせて盛り上げていたなーと思いました。役者さんを撮る時はアップばっかりなんだけど、細かいしぐさや表情などで、ああ、これはまさに生きるか死ぬかの戦いなんだな、と実感。平家方がみんなためらいもなく入水するところをカメラが淡々と追っていて、なんて残酷なんだろう、と思った。

源義経役の尾上菊之助は気品があって堂々としていた。かっこいい。藤純子演じる静もかわいくて舞がきれい。この二人はまさにお似合いのカップルです。爆笑したのが武蔵坊弁慶緒形拳)。メバリつけすぎるは、まゆげはやたらにつりあがっているは、髪ともみ上げが一体化してそのもみ上げが横にひん曲がっているはと、えらいことになってました。

「あらすじ」でちらっと書いたように、鞍馬〜奥州時代のことは、金売り吉次が当時のことを語りつつ、平清盛辰巳柳太郎)・常盤(山田五十鈴)・藤原秀衡滝沢修)や五条大橋・奥州下りなど、義経にゆかりのある人物や出来事の映像がちょこっとだけはさみこまれていました。幼少時代の大幅カットは残念だけど、吉次の語りでなんとなく想像はつくからこれはこれでいいかな。

後編についてはまた後ほど。