宮尾登美子 『義経』

義経

義経

2005年の大河ドラマが『義経』決まった後、宮尾さんが『義経』のために書いた本。源義経の生涯を、エッセー風に書いています。
宮尾さんの描く義経像は大河ドラマとだいぶ違っていて、荒々しく思慮に欠ける面はあるものの、源氏のために戦う意志を常に持ち、情が深い人物として描かれている。ドラマでもこういう義経像でよかったんじゃないのかな、と思いました。
あと、この本は義経の同母兄の今若・乙若のその後をフォローしているし、異父弟のことも触れている。この本のほうがよっぽど「家族の絆」を前面に出しているんじゃないかと思った。あんまり登場人物を増やすとわかりにくくなってしまうから、ドラマに義経の縁者を全員出す必要はないんだけど、なんか納得いかん。
この本は所々で『宮尾本 平家物語』に出てくる設定を基にして書いているようにみえる。『宮尾本 平家物語』、ちゃんと読もうかな。