第22回 「宿命の上洛」

ふと思ったんだけど、「宿命の上洛」の主語は一体誰だったんだろう。平家はまだ都落ちしてないし…。

なんだか今回は平家ばかり出ていてちっとも『義経』って感じじゃなかった。やっぱりあの予告は詐欺だよなー。けど、宗盛(鶴見辰吾)だけでなく、知盛(阿部寛)や明子(夏川結衣)ら、他の平家方の心の機微が描かれていたのは良かったと思う。それにしても、宗盛が屏風に火をつけようとしたら、屏風の力(?)で宗盛がはね飛ばされてしまって、結局燃やせなかった、というのは何なんだよー。朱雀の翁(梅津栄)の背後からいきなり矢が三本! といい、どうしてこのドラマは唐突にファンタジーな演出をするんだろう。まあ、面白かったからいいけど。

義経滝沢秀明)の「戦はしたくない」関連の長台詞は残念だった。主人公を平和主義者にするのは、たぶんそうしないといけないような圧力がかかっているんだろうな、とは思うんだけど、その描かれ方がまずいので、共感しにくいんだよね。義経は「自分は源氏で、相手は平氏というのがどこまでも付きまとう。これも定めなのだろう」と言ってるんだけど、だったら、何でその前に長々と「義仲とも平家とも戦いたくない」と言うんだろう。義経は結局「定め」ということをわかっていないんじゃ…と思っちゃうよ。「義経は甘ちゃん」ということが言いたいエピソードだったのかな。狙いが良く分からないよ。
あと、伊勢三郎南原清隆)の流言が失敗して義仲(小澤征悦)の軍勢が都に攻め上る、という話になっていたけれど、流言が失敗したんだったら義経も郎党ももっと焦ろうよ。鎌倉の兄に怒られるよ。のん気に山見ている場合じゃないよ、と。