第19回 「兄へ物申す」

頼朝(中井貴一)が「九郎は一途だ」と、いまいち分かりにくい義経滝沢秀明)の魅力を一言で言い表してくれたのが良かった。言われてみれば、鞍馬時代も奥州時代も、義経は思い立ったら後先考えずにすぐ行動してるし、人の発言に裏があることなんてこれっぽっちも考えてない(もしかしたら見ようとすらしてない?)よね。
そして今回も、藤原秀衡高橋英樹)の行動を訝る頼朝に対し、「秀衡様はそのようなお人ではありませぬ」と答える義経。おいおい、お前さんはどこまで人がいいんだよ、と苦笑いしてしまった。秀衡のいい人ぶりをアピールしようと、義経は「秀衡は兵糧の援助をしてくれた」って言ったんだけど、これも見方によっては義経の裏に秀衡あり、とも読めるから、佐藤兄弟のフォローになってない気が…。まあ、頼朝も頼朝で義経の一途さに打たれて何故か納得していたみたいだから、兄弟揃っておバカさんなのかもしれない。

頼朝の「九郎は一途だ」発言に、政子(財前直見)が「一途さは怖い」と突っ込んでくれたのも良かった。長所が短所にもなりうるということを、義経の能力の限界をこの二人は薄々感づいているんだね。「一途さは怖い」と言ってくれたからには、それを表す場面がこれから先あるといいんだけど、このドラマは期待させといてがっかりさせるところがあるからなあ…。