『ハチロー 母の詩 父の詩』第2回 「なんでもやった」

前回と全然トーンが違うよ! でもノリはこっちの方が好き。待ってました!

今回はハチロー(唐沢寿明)が詩を出版するまでのつらい日々の生活が中心。ハチローは妻子をほったらかしで家に帰らないし、妻・くみ子(松本明子)は情緒不安定だし、書きようによっては暗い話になってもおかしくない。
でも、そうならなかったのは、ハチローらの破天荒ぶりや喜怒哀楽、人間模様のおかしさかが殊更に強調して描かれたからだ。アイン(今井雅之)がハチロー母の遺言をハチローに伝え、ハチローが「そうか、自分は有罪なんだ」と悟るも、久しぶりに我が家へ帰り、「僕は有罪なんだ」とくみ子に言い、かえってくみ子に「はぁ!? 何言ってんの」と呆れられるくだりはサイコーでした。

そんな中で、放送終了後も私の心の中で引きずったのがラストシーン。
ハチローが出版社社長に「詩を出さないか」と勧められたが、ハチローは父・紅緑(原田芳雄)が裏で手を回したのではないかと疑い、社長に「僕の詩のどこがいいんだ」と問い詰める。結局社長に詩を褒められて出版にこぎつけるも、実はやっぱり紅緑や福士幸次郎松方弘樹)が裏でゴニョゴニョ動いてた…というオチ。
この時のハチローの自尊心の強さ、そして紅緑の「詩を出せるのを親からのコネととるか、自分の才能だととるか。俺だったら自分の才能を取るよ。そう思いたいじゃないか。」のせりふは、後からじわじわときた。

話はずれるけど、内容はなんであれ、これだけ色んなblogさんが出来るのは、思うにエントリーを書くことによって自分のセンスを認めてほしい、コメントやトラバなどでも自分の意見を肯定してほしい、というのはあるんじゃないのかなー。多分に漏れず自分もそうだし。そうしたネット上に溢れる「自分を肯定して!」と、ドラマの中でのハチローのプライドが自分の中でシンクロして、心の整理がついたような、つかなかったような、不思議な気持ちになりました。