第三部 「愛しき友よ〜新選組の栄光と転落編〜」

池田屋がたった1分。しかもOPの前にみつのナレーションでさらっと説明。思い切りが良すぎるよ!

6ヶ月分を無理やりまとめているから仕方がないとはいえ、やはり第1・2部に比べて質が下がっちゃったなー。一番の問題は「栄光」の描写がまったくなかったこと*1。山南脱走・仲間の死・御陵衛士との闘い・鳥羽伏見・そして近藤斬首と、新選組が転落していく様子は分かったけど、新選組のピークが見えなかったので、まるで標高の低い山をずるずる下っていっているように見えました。しかも、新選組が何故坂道を転げ落ちていかなければいけなかったのか、という理由も良く分からなかった。*2内部描写に力を注いでいたけれど、このドラマでは内部にそれほど問題があったわけでもなかったし。新選組を歴史ドラマとして位置づけるためには、外部からの視点(龍馬とか桂とか)が不可欠なことを痛感しました。

谷三十郎松原忠司だけでなく、その死に1話まるまる割いた武田観柳斎河合耆三郎ですら死んだことがテロップで片付けられるのを見て、彼らはあくまで「脇役」だったんだな、と思いました。他にも第3部は、本編では出てきた人物が出てこない、というケースが多くてちょっと残念だったなー、と。そんな中、栗塚旭*3と島田順司*4スペシャルでも出ていることに驚いた。彼らの役柄は本筋には直接絡まないから、出番を削ろうと思えばいくらでも削れるのに。彼らをスペシャルでも登場させていることに、三谷幸喜の彼らに対する敬意が伺えました。

あと気づいたことを二つ。一つは油小路の前の近藤と伊東の会談。第1部で武士になれない悔しさを散々描いていたおかげで、近藤の心情がリアルタイムで見ていたときよりも理解が深まりました。もう一つは沖田総司の物投げ。鴨暗殺の時は沖田が物を投げても鴨はひるまなかったのに対し、最後の方で沖田が刺客に襲われた時は一応効果はあったので、沖田も成長したなあ、と思いました(笑)。

*1:本編でもそのあたりの描写は薄かったけど

*2:これも本編ではあまり描かれていなかった

*3:第1部で登場

*4:第3部で登場