『最後の忠臣蔵』最終回 「花嫁の父」

孫左衛門、可音と嫁がせると決めたときから、もしかしたら四十六士が切腹したときから、腹を切ると決めていたのね。でも、これからの身の振り方なんていくらでも考えられるのに、すでに自分の役割を終えたかのように死んでいくのはつらすぎる。考えてみれば、孫左衛門の死の日=四十六士切腹の日=可音の祝言の日となるわけで。それって残された可音や吉右衛門にとっては重いなーと。孫左衛門の死だけでも十分忠臣蔵に対するアンチテーゼになるような気がしました。
孫左衛門の追い腹までのシーンがよかっただけに、最後のとってつけたようなハッピーエンドは残念だった。吉右衛門と篠が再会すること自体はいいのだけど、苦労の末にようやく巡り会えたのではなく、偶然に偶然が重なった上での再会だったので、感慨が沸きにくかった。せめて、今回の話の中で篠についての吉右衛門の思いが垣間見れれば良かったのに。あと、篠は旦那を亡くしたのに「一緒に暮らそう」と言うのはどうなんだろう。何のために吉右衛門を見限って亡夫の元へ走ったのかがよく分からなかった。せっかく丁寧に作りこまれていたのに「ご褒美」の後味が悪くてもったいないドラマだな、と思いました。