村上本と『義経』

日曜の日記で村上元三源義経』に関して「裏原作」なんて適当なこと書いたら(id:Mariner-S:20050605#p2)、『夜盗虫の朝寝坊』さん(id:yotomusi:20050605#p4)・『Honey Garden of Sky 』さん(id:asamioto:20050606#p2)からツッコミトラバを頂いたので、この本と『義経』との関係をもう少し書きたいと思います。なお、宮尾さんの原作は読んでない上で書きますので、悪しからず。

2005年の大河ドラマが『義経』に決定した際、宮尾さんの本を原作にすることになったのですが、どうも原作には義経の記述があまりないらしく、義経側の設定を新たにドラマ制作者が作らなければならなくなったそうです。
そこで、義経側の設定を村上さんの本をベースにすることになったわけです*1。何故村上本なのかと言うと、1966年の大河ドラマ源義経』の原作であったこと、「大河ドラマ」の素材向きであること*2、などが推測さられます。村上本を「裏原作」と書いたのはこういうわけなのです。OPで「資料提供:村上元三」の表示があるので、村上さん側からの許可は取っているかと思われます。
ついでに言うと、宮尾さんは宮尾さんで『宮尾本 平家物語』が大河ドラマの原作に決定になった後、NHK側から依頼されて新たに『義経』という本を書き下ろさなければならなくなりました。NHK側としては、『義経』の原作が「平家物語」だけでは体裁が悪かったのでしょう。
長々と書いてしまいましたが、宮尾さんは村上さんの本を参考にして書いたというわけではありません。多分。

自分で書いていて思ったんだけど、多分、多分を連発するぐらいなら、一度宮尾本にもきちんと目を通した方が良いのだろうか。でも本の形態が分厚いハードカバーというだけで手にとる気をなくす…。

*1:義経』演出:黛りんたろう著『大河ドラマ「義経」ができるまで』より

*2:主人公が厭世主義・一般に知られたエピソードを適度に取り入れている